人相術辞典   【せ】

『人相術辞典  天童観相塾より』       【せ】

 

〔眥〕   (せい) 「眥はセイ、  シ、 サイ、 などの音がある、 眼の頭尾両方の瞼及び中味を含めての称、  目の動く趣を保有しての貌(ぼう・かたち)。  頭部(目頭のこと)の方を前眥(ぜんし)または内眥(ないし)といひ何れもシと呼ぶ。   尾部(目尻のこと)の方を後眥(ごせい)または外眥(がいせい)と称し何れもセイといふのは、  便宜の呼称である」

〔睛〕  (せい)。   「睛は青い目、 青とは青黒のことで、  乃ち黒睛クロメをいふ」   ①眼の虹彩の部分、  東洋人は漆色、  濃茶褐色が標準。   ②眼を睛という場合ももある。  眼睛(がんせい)。 

〔睛青口濶〕  (せいあおくくちひろい)。     『睛青くして口の濶きは、 文章ある高人なり』  「睛の青黒きこと也、  青目玉のことにはあらず、  唇厚く口の濶く見ゆるは文章あり、  高人(こうじん)とは人格高き人のこと也」   睛は虹彩の部分、  東洋人は濃い栗色が標準であり吉相。   そこに薄っすらと青味があること。   外人の青目とは別物。    学問がある人格者であると。  

〔睛赤〕    (せいあかい)。    睛は眼の虹彩の部分。   東洋人は栗色が標準。    『鬚黄にして睛赤きは、 終に横灾(おうさい)あるを主どる』  横灾(災)は横死などに遭うこと。    睛が赤いだけでもこの意味がある。    

〔睛竄若獐〕     (せいかくれしょうのごとき)。      『睛竄れ獐の若(ごと)きは、  横亡の漢なる如(ごと)し』   「 (獐目・しょうもく)、 ソレは横亡(おうぼう)の漢、  俄かに災厄か何かで死ぬことがあらう。 

〔青気〕    (せいき)。  青い気色。 

〔青気少喜気多〕     (せいきすくなくききおおし)。    『青気少なく喜気の多きは、  富貴至りては亦(ま)た至る』    青気は青い気。   喜気は黄気。   悪色が少なく美色が多いのは、  富貴の運が続くという意味。   ①悪色の下から美色がこみ上げてくるように見える。   ②悪色の中心から美色が広がるように見える。  

〔青気天庭〕     (せいきのてんていにある)。      『青気の天庭は、  須(すべか)らく瘟疫を防ぐべし』  天庭は額。  瘟疫(おんえき)は伝染病。   額一面に青い気色が現れたら、 急性の伝染病に罹るからそれを防げと。   「(瘟疫は) 病因多岐なる病、 但し若干の熱気を中心とする疾患とす」   

〔睛如魚目〕       (せいぎょもくのごとき)。     『睛魚目の如きは、 死の期を速める』   睛は目。   「眼睛が魚目の如く、  余り動かないか動くこと鈍きほどのものは生気を失へるもので、 遠からず死ぬと也。   眼底血圧が低すぎる兆し」   魚目のようなドンヨリした目の者は、 長生きは出来ない。   精神も弱い。   

〔睛骨澄清〕      (せいこつちょうせい)。   『声骨の澄清なるは、 富貴の輩なり』   「音声も骨気も澄清であるものは、  富貴になるてあい(手合い)輩である」   声は澄んで骨(こつ)は清いという意味あり。  

〔青色〕    (せいしょく)。   

〔青色侵顴〕      (せいしょくけんをおかす)。     『青色あり顴を侵せば、 兄弟に唇舌のことあり』    「青色は青気といふに同じ、  青慘といふも同様。  唇舌は親絶の隠語。   親しかるべきものゝ不和となり絶交する義」   青い色が顴骨(けんこつ・かんこつ)に現われたら、  兄弟との不和絶交があるという意味。    顴骨は頬骨。  「時に兄弟に死亡敗残あることもあるべしとなり」   因みに、 全て顔の正中線(中心線)を我とし、  上停 中停 下停 の左右を父母、 兄弟世間、  部下に配当する。  

〔星辰〕    (せいしん)。     「星辰の星は五星を指すのである。    即ち火星は額、  土星は鼻、 水星は口、 金木星が耳。   また辰の字は星と星との中間、  即ち肉眼には見えぬ星宿のこと」 

〔星辰失陥〕      (せいしんしっかん)。     「五星の中間のアマキのことで、  眼、 眉、 顴(顴骨)、 頬、 人中及びその左右と頤など、 それらの失陥あるものは終生貧窮だという意。  則ち星辰は顔の造作及び空間全面をさして二字に言ひ現わしたもの」    顔の造作が歪んだりして整っていないことを云う。   『星辰に失陥あるは、 隔宿の儲糧なし』   「隔宿の文字は星辰の字に対応す。   辰宿の熟字があるのでも分かろう。   本項の意は、  一日置いての食料を持たないということ。   儲とは設けなり備へ也。  宵越しの金なども持たぬいふ有てぬ類をさしていふ」  

〔性相学〕     (せいそうがく)。   骨相学。 

〔清濁〕        (せいだく)。      『三に清濁を取る。   但、  人の体厚きは者は自然に富貴なり。    清なる者は縦ひ痩せるとも神長ず。   必ず貴きを以って之を推(お)す。   濁なる者、  神有れば之を厚(こう)と謂ふ。   厚なる者、 多くは富む。   濁にして神無き、 之を軟(なん)と謂ふ。   軟なる者は必ず孤なり。  弧ならざれば則ち夭す』   

〔正中線〕      (せいちゅうせん)。  

〔活人性命〕    (かつじんせいめい)。    大なるときは則ち人の性命を活かす。 

〔準頭〕      (せっとう)。     準頭。   鼻の先端、   鼻の頭。  

〔準頭赤色重々〕        (せっとうせきしょくじゅうじゅう)。   『準頭の赤色重々なるは、  奔波し詭計あり』    「準頭を中心に鼻スジ全体に赤きなり、  重々は赤さが重なり濃き色をなすをいふ、   その赤さの甚だしきは尾翼にも及ぶことあり。     胃と心肝或は肺にも腎にも相関す、   医療にて治すれば運も徳も直るもの也。   又徳を治め運が直れば鼻赤も治する也。  もし治せずんば奔波し詭計あること免れずとなり」   奔波(はんぱ)は奔走。   詭計は計略し騙すこと。   赤鼻の者はあれこれ計画して忙しく奔走すれども、  騙す心があるから失敗を繰り返す。 

〔準頭豊大〕        (せっとうほうだい)。    準頭が目立って肉付きよく大きいこと。     『準頭の豊大なるは、  中心に凶なし』     準頭が豊大な者は、   心根が良く、  人が良くて悪心がないこと。     『凶』は人が穴に落ち込んでいる象。   

〔賎〕       (せん)。   心持ち、  身分が賤しいこと。   

〔生相若仙〕    『生相もし仙の若(ごと)きは、  平生に閑逸なり』     「生相は生まれつきの相也、  仙人のような人は平生の生活が貧を貧とせず閑雅である」   仙人のような相とは飄々とした相。    

〔遷移宮〕       (せんいきゅう)。      『遷移は位を眉角に居す。    号して天倉(てんそう)と曰ふ』    『辺地、 駅馬、 山林、 髪際、   乃ち出入りの所たり。     宜しく明潤潔浄ならば遠行に利あり』    眉尻の角。    コメカミの所を遷移宮と言い、  財運と変化と移動の良し悪しが現れる部位。   

〔前世〕      (ぜんせ)。     『人の富貴に生まるゝは、  皆な前世よりの修行に由る』    「人が富貴の家に生まるゝのは、  皆な前世の修行如何(いかん)による、  これは主として仏教思想である、    輪廻によって転生(てんしょう)するといふ原理、  前世はその人未生以前の世をうふ」   

〔前相好背負虧〕       (ぜんそうよくしてはいふのかくる)。      『前相好くして背負の虧くるは、  虚の名ありて寿なし』   「前から見て好くとも後ろから見て、  後背や肩や脊柱や腰つきや、 貧寒薄弱なれば虚名無寿は虚の名とよむ、    普通にいふ虚名ありといふ意味合とは少々違ふ、  虚は虚花ムダバナの略、   コレは虚(ムダバナ)と名づくべきものであって寿(いのち)もないといふこと」   

〔前定〕       (ぜんてい)。     前程も同意。    事前から定まっている行程。   運命。   『相には前定あるなれども、   世に予めこれを知るもの無し』