神異賦152病ひ淹しく目は閉づれども・神脱し口開き天柱の傾欹する相

『病ひ淹しく目は閉づれども、神有れば色無き者も生く』 如何に長病でも重症でも、神が有る内は死にません。 病気久しく、眼も閉じてしまってもう駄目だと思われても、神が有る内はどんな病人でもまだ生きます。 神も気もその人全体の生命力です 神には、眼神・面神・体神が有り、此の場合は全部の神の事を言っておるのです。 神も気も生命力で勢いですね 生命力(神)の強い弱いは眼光に現れますから、眼神を中心に体全体と顔の神気(勢い)を觀るのです 病人が弱っていくに従い、神気が弱って行きます  『目に神無くば縦ひ鼻梁高いと雖も、齢亦た促る』 や『神短く光無きは、早に幽冥に赴くの客』ですから、神(生命力)が無い者は死んでしまいます。 其の反対に、久病人や重病人が目を閉じてもう駄目かと思っても、まだ神が有る内は生きます

『神脱し口開き天柱の傾欹する者は死せん』 神が脱して、口が開いて首が折れると死にます。 こちらは、神が脱して(生命力が無くなって)口が開いて、首が前後左右何れにでもグラグラと傾く様になりますと助かりません 病人は近い内に死んでしまいます。 天柱は首を指しておりますが、身体では首、顔では鼻を指して天柱と言っております。 鼻が曲がるというのですが、(鼻が傾く)は横になった時に、鼻に力が無くて下の方にグニャリと曲がるという意味です 病人は首でも、鼻でも力無く傾欹ケイイ(グラグラする・力無く曲がる)する者は助かりません 近い内に死んでしまいます