神異賦261人あり得意の中に面容悽慘なる相と士あり窘処に遭へるに顔貌温容ある相の事

『人あり得意の中に面容悽慘なるは、先には富めども後には貧なり』 幸運の時に面容が悽慘な人は、遠からず貧窮致します。 運勢順調、本人が得意の時であっても、顔に陰りが有ると遠からずして、必ず運勢が下り坂となって終には行き詰まります。 面容は、顔の色艶や感じの事を言います 悽慘は、疲れ悲しむとか、痛ましいという意味ですから顔にそういった陰りが有るの意 好調でいくら運勢が良い時でも、人相に暗い色や険しい表情や不安の相が現れますと、人相の通りの運命に成って行くのです。 明中に滞有れば吉も反りて凶なりですから、順調の時ほど相をよく観る必要が有るのです

『士あり窘処に遭へるに顔貌温容有るは、早には窮すれども晩には発す』 苦しい時でも顔つきが穏やかな人は、遅かれ早かれ必ず発達するのです。 運気が悪くて困難な時でも、顔つきが温容が人は、必ず発展・成功をすると言うております。 窘処キンショとは、苦しみ窮まるの意 顔貌は面相・顔つきで面容も同じです 温容は、穏やかで優しい事。 早窮晩発とは、若い時には苦しくても晩年には、開運するという意味と、早晩必ず発達するという意味があるのです。 悪い時も良い時もあるのは、当然です 人は少し調子悪いと、何時までも続く様に思ってしまいますし、落ち込むと其れがずうっと続く様に思いがちでありますが、苦しいときも顔つき穏やかな相の人はやがて其の人相の通りになるのです。 滞中に明あるは、憂ひも喜びに変ずという訳です