神異賦289眼光鼠の如き相と睛竄れ獐の若き相の事

『眼光鼠の如きは、偸盗の徒たるに似たり』 鼠目は、盗人の眼である。 眼光は眼の光りですが、此処では主として視瞻シセン(眼遣い)の事を言っています チラチラと盗み見をする眼の人ですね。 鼠眼・鼠目ソガン・ソモクは、盗人の眼の事です 何れにせよ、視瞻の怪しい者・眼遣いの怪しい者は、必ず一癖ありますから覚えておいてください。 此れは、盗み眼だけではなく、眼を細めたり、ギョロリと人を見たり、眼が泳いでいたり、瞬きが多かったり、時々底光りがしたり、急に悲しそうな眼になったり、一点を刺す様な眼(蜂眼)であったり、酔ったような眼の酔眼など、千差万別でちょっとした癖も見逃せません。 昔から目は心の窓とはよく言ったもので、人相術では交わりを選ぶは目にありと言って、眼を観れば付き合いしても良い人間かどうかが分かります 眼は其の人の全てが現れます。 眼の奥をジーッと観ていますと其の人の心の奥や、人と為り、運命の変化を見て取れる様になるのです

『睛竄れ獐の若きは、横亡の漢なる如し』 上三白眼ですね 睛が竄れるというのは、眼の茶目が下瞼に少し隠れて、上三白になっている眼相の人は横亡の人だと言うておるのです。 要は、三白眼の事を言っています。 上の白目が見えるのが上三白眼カミサンパクガン、下に白目が見えるのは下三白眼シモサンパクガン、白目が全部見えて四方が白い目は四白眼シハクガンです。 獐ショウとは、鹿の一種でノロの眼の様だと言うておるのです 眼の相は動物の眼に例えられるのですが、此処では鹿眼ロクガンというのが有りまして、此の眼は黒目が下瞼に少し隠れ気味な眼なんですね 横亡は死に際が良くない事で、畳の上では死ねないという横死の運命だと言っておるのです。 四白眼も凶亡、下三白眼も極端なのは横死の相です 龍眼や鳳眼は貴眼の代表ですね 三白眼・四白眼・三角眼・蛇眼・鼠眼・羊眼・猿眼・鶏目・鴨眼・蟹眼・等、此れはほんの一部であって、書き出すと切りが無いほど眼相は多種である 此処に書いた龍眼と鳳眼以外の眼相は悪眼