『易断』

『 得卦の過去・現在・未来を先づ判断する 』

 

 周易判断にもいろんなやり方、判断方法があると思いますが、ここでは自分が採用している方法を書くことにします。 得卦した其の卦(か)が今問噬したことに対して、 其の過去を表示して

 

り、現在の状況を読ませようとしているモノであるか、 それとも現在の状態を告げており、 過去・未来をも察知させようとしたものなのか、 それとも将来を告げたもので現在・過去をも

 

察知せしめようとしている卦(か)なのか、 噬して得た卦は過去・現在・未来の何れを主として表示したものであるかを先づ判断することをしなさいということである。 

 

故に、自分は噬前の審事を重要視する。  言ってしまえば得卦(本卦ほんか)イコール現状、之卦(しか)イコール成り行き結果 というように固定してはいけないという意味であります。

 

れでは、せっかくの易の構成を活用することなく、 「こんなん出ました」 で終わりのおみくじとあまり変わらないと言わざるを得ないのであります。

 

過去の状態から地続きで現在の状態に至り、此の続きで未来の結果を流れ(時間的推移と変化)を掴み、判断しようとするものですからガチッと固定しては柔軟に窮理・推察が出来ないのです

 

此のおみくじ的な判断をしている者もいるのではないか  だとすれば、易の真価を発揮する術の勉強が足りないということだ   自分が大事にしていることは、 問噬に対して其の得たる卦

 

が過去・現在・未来の何れを告げているのかを明らかにし、 現状の状態事実と卦象とを照らし合わせて其の地続きの時間的推移を明らかにし、 現在の真相を確認する  此れを以て将来の

 

変化を察知して、 善処するということであります。   本卦イコール現状・之卦イコール成りきと結果という固定はいけないと書きましたが、ではどうするかと言えば、 得た卦(か)を基

 

準として、其の過去・現在・未来の通変を窮理するには先づ三つある。 一つは本卦を以て過去を表示しているもの、 二つ目は本卦を以て現在を表示するもの、 三つ目は本卦を以て未来を表

 

示したものと云うことになります。   当然、之卦を考えればもっと増えるわけですね  本卦を現在とし、之卦を将来とするもの、 本卦を過去とし之卦を現在とするもの、 本卦を将来と

 

し之卦を将来の又将来とするものであります。  故に、此の中の一つを取って固定しては占断する易者自身も苦しかろうというものです  もッと謂えば、 本卦、之卦のほかに爻卦・錯卦・

 

綜卦・全卦・似卦・包卦・互卦・伏卦・易位・交代・来往・運移・変為など生卦を始め、易の構成中に使える範囲のものを活用して的確に断ずるところが重要なのである。(卦はか) 

 

尤も、名人クラスになれば、グルーッと一周まわって来て略噬に戻るのだ    誰でも最初は初心者だから一番情報量が少ない判断がしやすい略噬でやり始めて中噬や生卦法などあらゆる判断

 

法を勉強し、実地鑑定で試し、判断修行して、また一番情報量の少ないシンプルな略噬に戻って来る。 そして一番シンプルで情報量の少ない方法で、 誰よりも一番ズバリとやるわけだ

 

自分もそこまでやりたいですね。    という訳で、書き始めた『易断』ですが先は長いので今回は此の辺にしておこうと思います。 此処まで読んで頂いた皆さんありがとうございました 

 

ではまた次回の易断で!