神異賦136陰隲の肉満つる事と正面の骨開ける話し

『陰隲の肉満つるは、福重く心霊らかなり』 陰隲の色と肉付きが良い人は、神仏の加護が有って福分が有り、心も公明正大な人物である。 陰隲インシツという部位は、目頭から下に四センチくらいの所です。 目頭から顴骨の方に斜めに走る紋が通る所でも有ります 陰隲とは、陰徳とか、天の心に稱うという意味ですから、此処の色と肉付きが良いという事は、陰徳が有って天からの福(褒美)も有り、心持ちも霊(アキ)らかな立派な人という事です。 大体に眼下涙堂周辺は、昔から陰徳の有る無しを観る所とされますから、此の辺りの肉付きと色を観れば、徳を積んでいるかどうかが分かります

『正面の骨開けるは、粟陳く貫朽あるなり』 顴骨が立派な人は、貫禄も有れば財産も有る人です。 正面には額の正面と顴骨の正面の二つが有り、此処では顴骨の正面の事を言っています。 骨が開けるというのは、盛り上がってしっかりしている事です。 粟陳く貫朽有るは、穀物が腐るほどたくさん有って、家柄も古く立派だという意味になります 当然、権威も有って使用人も多いでしょう 『呼べば聚まり喝すれば散ずるは、只だ双顴の並び起こりて峯巒たるに因る』とも通じます  顴骨は、社会との関係を観る急所ですから此処が弱い相は、威も無ければ人気も無く、人を動かす事が出来ません